ソリッド・ステートステレオアンプ
SAX-700 SANSUI
¥69,900
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 まだ学生だった私が、思い切って買ったのが国内初のトランジスタ方式アンプ。この時、購入対象としたのが 同じサンスイの真空管式プリ・メインアンプ「AU−111」。音を聞いて決めれば、AU−111を買って いたのでしょうが、音を聞いて決めたのではなく、アンプとチューナーを別々に購入は出来なかったのでこっちに 決めたのが本当の理由でした。ビクターのステレオSTL−650と比べると、 本物のオーディオに近づいた音でした。(1967年=昭和42年4月購入)

SAX-700前面  久しぶりに納戸から出してきたアンプは、思ったよりデッカイ!
かなり古くなっているので、各部に錆が出ていたり、プラスチックネジが壊れたりしていました。
可哀想なのでもう電源を入れる気にはなりませんでした
カタログ
左のカタログには、

「SAX−700は、管球式アンプで名声をほしいままにしている山水のオーディオ技術を結集して開発した、 ソリッドステートアンプです。
国内市販は初めてですが、欧米には既に、数万台の輸出実績を持ち、その高度で完璧なソリッド・ステート・ テクニックは、定評のあるところです。」、「パワーバンドワイズ20〜20,000cps・・・・・絶対に安全な PSC(保護)回路などすぐれた回路が随所に生かされています。」

と書かれてあり、こういう言葉でこれに決めたのかな?

保証書  左の写真は、「品質保証書」です。今時の製品には普通の保証書しか有りませんが、 この当時はわざわざメーカーから番号入りで、しかも収入印紙まで貼られて送られてきました。 品質保証書番号=NO.706928、SAX−700製造番号=97020086と記されています。
裏面


 資料関係が凄いです。何が凄いかというと、下のマニュアルがその一つ。 「使用説明書」は普通のマニュアルですが、その下の「サービスマニュアル」は、最初のページに

サービスマニュアルの使い方。
このサービスマニュアルは修理のためのサービスノートです。故障したと思われる場合は、 これを良くお読みになり、故障個所を直してください。

  セットの故障ではない場合
  トラブルシューティングノート
  チューナーの調整方法
  アンプ解体図
  ダイアル糸掛図
  回路図
  ブロックダイアグラム
  セレクターチャート
  部品配置図
  プリント基板部品配置図
  使用部品表
  カラーコード表
使用説明書 サービスマニュアル
使用説明書 サービスマニュアル

とあります。つまり、壊れたら自分で直してくださいと書いてあるのです。

これを使うとSAX−700を作れてしまいます。このほかにも、実寸法のアンプ取付穴図面があります。

■規格
<オーディオセクション>
定格出力 注 以下はすべて8Ω負荷の値を示す
ミュージックパワー(IHFM):60W total±1dB
実効出力(左/右):26W/26W±1dB
ステレオ実効出力(両チャンネル同時動作):23W×2±1dB
全高調波歪率 1%以内(定格出力にて)
パワーバンドワイズ(IHFM) 20〜20,000cps(歪率1%にて)
周波数特性 20〜20,000cps±1.5dB(常用出力にて)
チャンネルセパレーション PHONO  :45dB以上(定格出力にて)
AUX    :50dB以上(定格出力にて)
ハムおよび雑音(IHFM) PHONO  :70dB以上(定格出力にて)
AUX    :75dB以上(定格出力にて)
出力インピーダンス 4Ωおよび 8〜32Ω
ダンピングファクター 26(16Ω負荷)
13(8Ω負荷)
入力感度 (実効出力に要する1,000cpsの入力)
PHONO 50kΩ      :3.0mV  
TAPE HEAD 100kΩ    :2.0mV
AUX 100kΩ        :200mV
TAPE MON(PIN) 100kΩ:180mV
TAPE MON(DIN) 100kΩ:180mV
録音出力 録音出力(PIN)     :180mV(定格入力にて)
録音出力(DIN:100kΩ):30mV(定格入力にて)
センターチャンネル出力:5V(定格出力にて)
イコライザー特性(NF型) PHONO  :RIAA
TAPE HD :NAB
コントロールおよびスイッチ a.BASS(低音)コントロール:50cps +13dB〜ー13dB
b.TREBLE(高音)コントロール:10,000cps +12dBからー13dB
c.ラウドネスコントロール:50cps +8dB
               :10,000cps +5dB(音量調整ー30dBにて)
d.ハイ(高域)フィルター:10,000cpsにて −10dB
e.ロー(低域)フィルター:50cpsにて −10dB
f.モードスイッチ:1.STEREO 2.MONO(L+R)
g.ファンクションスイッチ:1.TUNER 2.PHONO 3.TAPE HEAD 4.AUX
h.バンドスイッチ:1.AM 2.FM MONO 3.FM AUTO 4.FM STEREO
i.インピーダンススイッチ:1.4Ω 2.8〜32Ω
j.スピーカースイッチ:スピーカー ON.OFF.
k.テープモニタースイッチ:モニター ON.OFF.
その他の付加装置 テープモニター回路、DIN録音コネクター、ヘッドホーンジャック、センターチャンネル端子
<FMセクション>
受信周波数 76〜90MC
感度 1.8μV ±3dB(MOD=30%、S/N=20dB)
実用感度(IHFM) 1.8μV ±3dB(MOD=100%、S/N=30dB)
2.5μV ±3dB(MOD=30%、S/N=30dB)
実効選択度 45dB以上(84MCにて)
イメージ比 50dB以上(84MCにて)
S/N比 50dB以上(入力 60dB 1,000cps MOD at 84MC)
全高調波歪率 1%以下(入力 60dB 1,000cps MOD at 84MC)
周波数特性 20〜15,000cps ±2dB
<FMマルチセクション>
チャンネルセパレーション 35dB(入力 60dB 1,000cps MOD at 84MC)
周波数特性 20〜15,000cps ±2dB
全高調波歪率 1%以下(入力 60dB 1,000cps MOD at 84MC)
<AMセクション>
受信周波数 535〜1,605KC
実用感度 15μV ±3dB(1MC、MOD=30%、S/N=20dB)
選択度 20dB以上(1MC、±10KCにて)
イメージ比 50dB以上(1MCにて)
通過帯域幅 6KC
その他の付加装置 a.ミューティングスイッチ ON.OFF.
b.FM・AFCスイッチ ON.OFF.
c.FMディスタント/ローカルスイッチ
d.AMディスタント/ローカルスイッチ
  FMステレオオート、FMステレオインジケーター、チューニングフライホイール、チューニングメーター、 FM-SCAフィルター、AMフェライトアンテナ
<使用トランジスタおよびダイオード>
トランジスタ 2SA525×3、2SA234×5、2SA102×2、2SA101×2、2SA49×2、2SB54×2、2SB324×2、 2SC458×4、2SC650×2、2SC649×2、2SC693×6、2SC536×9、2SC245×4 計45石
ダイオード IN60×9、OA91×7、OA79×4、SM-150×1、SW-0.5×3、SA-3Z×4 計28石サーミスタ
サーミスタ D-22A×1
S.C.R V-312B
電源 :AC100V、117V、220V、240V、50,60cps
消費電力 60VA(MIN)、170VA(MAX)
寸法 巾 450m/m×奥行(ツマミ除く)390m/m×高さ(ゴム脚除く) 150mm
重量 14.8kg
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