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これが我が家で始めて購入したテープレコーダーです。 このテープレコーダーは、私の父が買ってきた物です。
他のテープデッキの文章を書いているときにそう言えばと色々思い出しました。このデッキは、
元々8mmフィルムの音声を録音するために買った物でした。その頃の8mmフィルムには音声を録音できなかったため、
8mmフィルムとのシンクロが出来るこのデッキを購入したようです。(購入日不明1956年=昭和31年頃?)
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当時は、ただ声が録音できる凄い物としか思っていませんでしたが、そのうちマイク録音だけでなく、
ラインからも録音できることが判り、よくラジオからの録音をしていました。ただ、当時はまだテープの価格が高かったため、
保存されているテープは見つかっていません。(数本のテープを繰り返し使っていたようです。)
この頃は、私がまだステレオ関係の知識も有りませんから、かなり残念です。
このデッキの値段を探したのですが、見つかりませんでした。でも、多分1万数千円だったと思います。
そのころの月給(父)の数ヶ月分でしょう。かなり高いものだったと思います。
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このデッキは携帯型になっていて、写真の上に蓋が付いていました。もちろん取っ手付きです。
ケース、蓋共に木箱にレザーシート貼ったものでした。
画面上でマウスをポイントすると番号が現れますので、下の説明を参照してください(番号は左上から付けてあります)
■(1)入力レベルインジケータ(放電管)なのですが、現在のような何VUみたいなものではなく、
入力レベルによって光方(明るさではない)が変わるもので、なれると大体適正レベルが判ってきます(今から見ればいい加減ですが、
これで充分監視できました)。ただ、この表示がステレオだったかどうかは覚えていません。
もしかしたら、1個は電源表示だったような気もします。
■(2)ライン入力、ライン出力(両方ともフォーンジャック)? ジャックは3個有るので、
2個がステレオライン入力、1個がマイクの右側入力(?)かなそれとも出力? 今となっては覚えていません。
■(3)録音・再生ボリュームだと思います。このデッキ(多分ステレオテープレコーダーと呼んでいたような?)には、
スピーカーが付いているので再生ボリュームが有るはずだから、そう思います。ただ、そうすると録音時はマイクとライン入力は自動切換になっていたのかな?
■(4)電源スイッチを兼ねたスピード切り換えスイッチです。スピードは、19Cmと9.5Cmの2段階切換なのですが、
実はキャプスタンが2重になっていて、ネジを外すと19Cmのスピードの時に使う太さのものを取り外すことが出来ます。外したパーツは、
(6)のキャプスタンホルダーに無くさないようはめ込んでおきます(ネジ止め)。と言うことは、スピードは都合4種類有ったわけです。
これは、どうも4.75Cm用の装備だったような気がします。
■(5)電源入力及びモノラルマイク入力。写真で白くなっているのは、ソケット部が壊れたのでビニールテープで補強したためです。
この電源コネクタの直ぐ上が、モノラル用マイク入力のホーンジャックがあります。現在なら、電源コネクタの直ぐ側にマイク入力を付けることなど有り得ませんが、
この頃は多分電源ノイズなんて無かったのでしょう。電化製品自体それ程普及していた訳でもなく、
現在のようなマイコンも無いからかなり綺麗な電源だったのかも知れません。
■(6)キャプスタンホルダー。(4)で説明したものです。
■(7)テープカウンターはもちろん機械式。でも、これは随分役に立ちました。
■(8)ヘッド切り換えレバーです。ヘッドアッセンブリ部(この写真ではカバーが無くなっていますが、
右側に向かっているものが切り換えレバーです)。このデッキは、当時としては非常に珍しい4チャンネル仕様だったのです。
但し、この頃はモノラルの往復録音機が主流だったため、そのテープを再生出来るように、ヘッドを上下に動かして対応していたようです。
(トラック配置を考えてみましたが、どうなっているのか判りません)
■(9)キャプスタン。これに特徴があるのは、(4)で説明したとおりですが、ここにはもう一つ秘密があります。
それは、最初の方にも書きましたが、8mmフィルム(8mm映写機)とのシンクロ(同期)が取れることです。キャブスタンに付いているネジを外して、
ここにシンクロ用の白黒模様(シンクロ模様)が付いた丸い棒をねじ込み、その棒の棒のシンクロ部に8mm映写機の光を当てて、
シンクロマークが止まって見えるようにすれば、シンクロOKです。この説明で判る人の方が少ないでしょうね。
それと、もう一つお話ししたいことがあります。それは、このデッキを何とかいい音で使いたいと思い、
交換用のキャプスタンとしてを太いものを加工して作りました(もちろん自作です)。つまり、38Cm用を作ったのです。
しかし、これは見事に失敗しました。ピンチローラーのテープ押さえバネが弱いため、テープが滑ってしまい旨く動作させることが出来ませんでした。
■(10)ピンチローラー。これは通常のものと変わらなかったように思います。
■(11)録音ボタン。このボタンを押しながら再生レバーでテープを回すと録音が出来ました。
■(12)録音再生レバー。この頃のデッキと言うかテープレコーダーの殆どがこの方式でした。結構堅かったことを覚えています。
■(13)早送り巻き戻しレバー。これも(12)と同じです。機械式のためか、それともテープの品質が悪かったからか、
何回かテープを切った覚えが有ります。
■(14)送り出しリール。オートリバースなんてありませんでした。必ず左から右に巻き取られます。
■(15)巻き取りリール。再生時の巻き取り側です。テープをセットしてゴムのキャップをはめますが、
テープがリールに当たってキーキー言うのが懐かしい。 |
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このテープレコーダーに付属のマイクが見つかりました。ダイナミック型で亜鉛ダイキャスト製?ケーブルは布被服です。 |
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