b004 切れたカセットテープの修理(修理例1)
 大事なカセットテープが切れてしまって困ったことがありませんか?。 そんな時、直ぐに捨てないでこの方法で修理してみてください。 それ程難しいことではありません。
用意する物
プラス(+)ドライバー : 出来れば時計用ドライバー
 左の写真は、私がかなり前から使っている小型のドライバーセットです。 色の付いている部分は空回りするようになっていて使いやすいことと、 締め付けトルク(もちろん感覚上ですが)の調整がし易い愛用品です。
ピンセット : ステンレス製の物がよい(細かいことを言えば、 消磁器で磁力を消しておけばなお良いです)
 こちらのピンセットは、先端を細長く加工した物。
 こっちも同様に先端部分を鋭く加工してあります。両方とも右側の接合部分をヤスリで削って、 物をつかむときの力を軽くなるように調整しています。 また、先端部分の肉厚も薄くしてあり、細かい作業が出来るようにしています。
作業開始
 まずは、当然ですがテープが切れてしまったカセットを用意します。 この時のテープは、私の一番気に入っている「尾崎亜美」のファーストアルバムのテープでした。 ラベル見てかなり古いテープだと判る人は、それなりの人。
 さて、分解ですが、5本のネジを小型のプラスドライバでゆるめます。 この時、ゆるんだネジはそのままにして取り出さないこと。
 写真の様にと言いたいところですが、実際は右手でデジカメを持っているため、右手を写せません。 両手で、ゆっくりと写真の上の方を始めに持ち上げ、次に手前側をそのまま上に持ち上げるようにして、カバーを取り外します。 ゆっくりと行うのは、テープ自体を絡ませないようにする意味と、 テープをテープヘッドに密着させるためのパッドを飛ばさないようにするためです。 もちろん、緩めたネジも飛ばさない様にしてください。
 カバーを取り外すと、テープの上に写真の様(一寸判りにくい?)に黒いつるつるした紙が有ります。 これをピンセットを使って取り除きます。 ピンセット使う理由は、手の油を付けない様にするためで、 手油が付くと後でカビの発生原因になってしまいます。
1. 切れた部分をつなげて元通りにする。
2. テープの切れ具合で、巻き取り量の多い方を残して残りは捨てる。
3. テープの量に関係なく、必要な録音部分の方を残して後は捨てる。
4. 面倒臭いので全部捨てる。
今回の修理方法は、このリーダーテープが取れたとして話を進めますが、問題はテープの途中が切れたときです。 この場合は、どう修理するかの選択が必要です。 途中まで説明して置いて、「4は無いだろうと!」思いますが、 1を除いて2.3については次からの説明で修理できます。
 さて、いよいよ中身が見えました。今回のテープ切れは、テープの最初と最後に巻かれているリーダーテープと、 磁気テープを張り付けてある部分が剥がれていました。テープが古くなると、殆どの場合この部分が剥がれます。  1については、スプライシングテープという専用の編集用テープを使って貼り付けることも可能ですが、 余りお勧めできません。カセットテープは、テープ自体が薄いため張り付けることが困難な事と、スプライシングテープの接着剤がしみ出て来て、 テープが張り付いてたりするトラブルが発生してしまいます。但し、修理をして直ぐにMDなどにコピーするならば問題有りません。
 さて、話を元に戻して、上の写真は、右側のリール部分を取り外し、 テープを押さえているプラスチックのピンを抜いたところです。ピンを抜くには、リール部分を、 取り外したカセットカバーの端に乗せ(この時ネジは別に集めておきます)、 リールを指で押さえながらピンセットでピンを押して抜き取ります。 テープを押さえている部分は、写真の様に簡単な○ピンであったり、一寸複雑なコの字型であったりですが、 原理は殆ど同じですから、取り外し方法も同様です。
はめ込み完了
 写真2にあるリーダーテープ(透明な部分)は捨てます。もちろん透明でないリーダーテープもありますが、 この部分を使おうとすると、先に書いたスプライシングテープを使わなければならないため諦めてください。 まず、テープの端をリールの凹んだ部分に数ミリずらして置きます。次に○ピンを写真の様に置き、 ピンセットのお尻でパチンという感じがするまでしっかりとリールに押し込みます。 この時、リールを置く下の部分は丈夫な紙が良いです。ガラスのようなツルツルしている物は○ピンが滑りにくいので不向きです。 (○ピンはガラスなどでは張り付いてしまい、作業し難いです。 また、テープの取り付け方向に関しては、取り付けの時に決めるので気にしなくて良いです。
 出来上がったリールを写真の様に取り付けます。 テープパス(テープの通り道)は、左の写真を参考にしてセットください。 メーカーにより多少違いはありますが、基本はテープカバーの一番外側にテープをセットすれば殆ど大丈夫です。 この後、黒いつるつるした紙をピンセットを使って、取ったときと同じ方向に置きます。 だいたいは下側にある紙と同じように置けばOK。
 さーてと。最後に取り外して置いたカバーをはめ込むのですが、ここが一番やっかいです。 写真に示した様に、少し角度を付けて手前側からはめ込みます。この時、取り付け用のネジは外して置いてください。 旨くいかない場合でも、そのままはめ込むつもりで、後側部分もはめ込みます。 最後に、手前側のテープを押さえるパット部分を前後に動かしながらカバーを押さえると大体はまるようです。
最後に、5本のネジを締めて完了です。ネジを締めるときは、車のタイヤ交換と同様に、 対角する部分から少しずつ締めていって下さい。一度で1本のネジを締めてしまうと、 カバーがゆがんでしまう可能性があるので止めてください。
以上で、カセットテープ切れ修理方法の説明を終わります。折角録音したテープですから大事に使いましょうね。
Last Update 2001.5.25 Since 2001.5.25